さんま特番〝イラスト盗作騒動〟の盲点と法廷バトルの顛末

12/14(火) 5:15配信
東スポWeb

明石家さんまも驚いたに違いない（東スポWeb）

　タレントの明石家さんま（６６）がＭＣを務め、昨年４月に放送された日本テレビ系特番「明石家さんまの転職ＤＥ天職」の〝盗作騒動〟で日本テレビがイラストレーターに提訴され、和解していたことが明らかになった。日テレは当初の審理で〝こちらも被害者だ！〟として争い、イラストレーターから求められた盗作の訂正を断固拒否していたという。

　盗作騒動の発端は、昨年４月放送の特番「――転職ＤＥ天職」だった。番組では無名のアーティストや一般人から絵を募集。さんまが絵を売る〝画商〟になりきり、集まった４５６７作から秀逸な作品を発掘する企画だった。

　その中の一作だった、ロングヘアでメガネをかけた男性がたばこをふかすモノクロのイラストが「石田ゆきの」さんの作品として番組で放送された。さんまはこれを「『ＮＡＮＡ』みたいな漫画のタッチ」と評して気に入ったが、後に「石田ゆきの」さんの作品ではなかったことが判明。これを描いたイラストレーターのＹＵＮＯＫＩさんが放送直後、自身のツイッターで「私のイラストが勝手にテレビで使われていたようです」と訴え、程なく本当にＹＵＮＯＫＩさんのイラストだったと断定された。つまり、「石田ゆきの」なる人物が自作と偽り、ＹＵＮＯＫＩさんに無断で番組に応募したわけだ。

「局内も大慌てでした。第三者の無断応募なんて想定しませんから」（日テレ関係者）

　被害者のＹＵＮＯＫＩさんは今年２月、ツイッターで、日テレと特番の制作会社、無断応募者の３者と「裁判で争う形となりました」と報告。「（日テレは）私の作品だと認めているにも関わらず、どうして『間違いを訂正する』と約束できないのか、さっぱり分かりません」と批判した。３者を相手取った訴訟が大阪地裁で始まった。

「局（日テレ）は訂正を発表せず、むしろ審理でＹＵＮＯＫＩさんと争いました。〝こちらも被害者で、悪いのは無断応募者だ〟という趣旨の主張を展開。局が訂正を拒否したのは、責任の程度をまず審理で確認したかったためといわれました」（同）

　さんまもビックリな法廷バトルに突入したが、審理が進む中で「局の主張が認められた部分もあったようで、地裁のすすめもあり、このほど和解が成立しました」（同）。

　今月１２日に放送された日テレ系特番「誰も知らない明石家さんま」はＹＵＮＯＫＩさんに謝罪。「お詫びして訂正いたします」と発表した。

　当のＹＵＮＯＫＩさんも同日、ツイッターで「間違えて放送したことを訂正・謝罪をしてもらうことが一番の目的だったので、そこにおいては納得のいく結果となりました」と報告。無断応募者については「一度も裁判所に出頭しなかった」と係争中で、「結審して来月には判決をいただける」という。

　法曹関係者は「こういった盗作騒動はクリエーターの制作意欲をそぎ、非常に問題。今回の騒動で何より悪いのは無断応募者です」と指摘した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/eecbc4e3773aa61f35e886c0601f0307b4317920