【石川】 「やったもん勝ちなんです」今も聖地巡礼が続く秘策とは？アニメ発の祭礼“ぼんぼり祭り”が3年ぶり10回目の開催へ

2022年10月19日(水) 10:00

アニメ放映を機に始まった「湯涌ぼんぼり祭り」が22日に3年ぶりに開かれます。コロナ禍で中止になることもありましたが、2011年から始まった祭りは今回で10回目。長く続いてきたそのワケを探ります。

普段は閑静な金沢の奥座敷に人だかり

湯涌温泉で7月に行われたぼんぼりの点灯式。閑静な金沢の奥座敷には約400人が集まりました。
協賛を募りながら設置されたぼんぼりの数は350基。会場には、幻想的な灯りを楽しみにしていた人や、自分の名前が書かれたぼんぼりを探す人など様々です。

350基が一斉に点灯（湯涌ぼんぼり祭り点灯式・7月）

「点灯式でぱっと点いたのを見れたのも本当に涙がウルウルでした」(東京からの来場者）
「昔ってホントに若い人が誰も歩いていなかったんですよ。湯涌のこの町って。それが凄い若い人がいっぱい来ているというのが凄い私としてはうれしいです」（県内からの来場者）

点灯式に合わせ神社に参拝する来場者

この時、来場した人たちは3か月後に行われる湯涌稲荷神社のお祭りを心待ちにしていました。“湯涌ぼんぼり祭り”です。祭りには、「温泉街を見守る小さな女の子の神様が、神無月の10月に出雲に帰るときの道しるべとして、人々がぼんぼりで照らしてあげる」との意味が込められています。

今回で10回目…アニメきっかけで始まった祭礼

祭りは、2011年に放送された石川県の温泉街が舞台のアニメ「花咲くいろは」がきっかけで、その年に、浅野川水害からの復興3周年を記念して開催されました。始まった当初は、作品の舞台を巡る「聖地巡礼」のブームにも乗りました。

祭りのきっかけとなったTVアニメ“花咲くいろは”

当時について、湯涌温泉観光協会の山下新一郎 事業部長は「すごく素敵だなと思ったんですよ。お祭りのストーリーが。なんか怒られるんじゃないかと思って、当初はおっかなびっくりお声掛けしたんですけども、近隣の方も巻き込んで、この祭りを開催して育てていかないと、多分、私たちが思っているやりたい事できないなと思ったもんですから、いかにそういった方々にまずは認めてもらうか、だと思いました。」と話します。

発起人でもあり、祭りの実行委員長を務める山下新一郎さんは、アニメがきっかけであったことや祭礼の形をとることもあって当時、周囲の反応はあまり芳しくなかったと話します。

初回の湯涌ぼんぼり祭り（２０１１年）

「どちらかというと反対派が多いわけですよ。で…賛成してくださる方もいたはいたけど、当初はやっぱりなかなかね、そういう意見も少ないなかで…悩みましたね。」（湯涌温泉観光協会・山下新一郎 事業部長）

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