【徳島】昨年は４万３千人来場したアニメ・ゲームのイベント、今春開催は不透明…「負担金多すぎ」知事見直し方針

読売新聞2024/02/27 13:18
https://www.yomiuri.co.jp/culture/subcul/20240227-OYT1T50042/

例年春と秋の年２回開催されているアニメ・ゲームのイベント「マチ★アソビ」について、今春の開催が不透明となっている。徳島県の後藤田知事が負担金の減額やイベントのあり方を見直す方針を示しているためで、準備が進まない事態に県議らからは「県外から人を呼び込める人気イベントがなくなってしまうのでは」と懸念の声が上がっている。（北野浩暉）

「マチ★アソビ」は、徳島市中心部で２００９年から計２７回開かれてきた。昨年は５月６、７日に約４万３０００人が訪れるなど、アニメファンやアニメのキャラクターに 扮ふん するコスプレイヤーなどに人気のイベントとなっている。１７年秋に県が行った試算では、県内への経済効果が７億３０００万円と算出されており、地域活性化にも貢献してきた。

イベントは、県などでつくる「アニメまつり実行委員会」が主催。当初は「鬼滅の 刃やいば 」などを手がけるアニメ制作会社「ユーフォーテーブル」（東京）が企画・運営していたが、１９年からは音響制作会社「スタジオマウス」（東京）に随意契約で委託。県は毎年８０００万円の負担金を実行委に支出してきた。

後藤田知事は今月２０日、取材に対してこの負担金が多すぎると指摘。徳島市の阿波おどり（８月）の県の支出は約１０００万円で、三好市のにし阿波の花火（１１月）には県から補助金等がないことを例にあげ、「ファンの方々や民間事業者が経験を生かして自立的にやっていただきたい。必要な支援はする」とした。さらに、イベントのにぎわいが県内全域に波及していないとして、「広域性については、今までのやり方を改善する点がある」と述べるなど、例年通りの開催に待ったをかけた。

県はアニメ関連のイベントは重視しており、２０２４年度一般会計当初予算案で、アニメやｅスポーツイベントを実施するための委託料として９０００万円を計上したが、マチ★アソビの負担金がどの程度になるかは、決まっていない。

２６日の県議会経済委員会で、県は知事が打ち出したイベントの見直し方針について、実行委で協議ができておらず、運営の委託先を決める手続きの実施時期が未定となっていることなどを説明。議員からは「運営資金を民間だけで集めるのは厳しいのでは」「関係者としっかり協議をしてから移行するべきだ」などの意見が出された。

一方、実行委員会の富永純子会長はこの日、委員会の開催を求める文書を県に提出したと明らかにし、「しっかり県と議論をしたい」と話した。

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