鬼滅っぽい色のグッズに「鬼退治」って書いて売ってたあの業者、アウト

「悪質、人気に便乗」　「鬼滅」類似グッズ販売会社社長に有罪判決
2022/12/16 18:59（最終更新 12/16 19:00）

人気漫画・アニメ「鬼滅の刃」を連想させるデザインの商品を販売したとして、不正競争防止法違反に問われた雑貨販売会社「レッドスパイス」（横浜市中区）社長で中国籍のウー・シャオビン被告（57）に対し、名古屋地裁は16日、懲役2年、執行猶予5年、罰金300万円（求刑・懲役2年、罰金300万円）を言い渡した。
法人としての同社にも罰金500万円（同・罰金500万円）を命じた。

宮本聡裁判長は「不正な目的で作品の印象的なアイコンの類似商品を組み合わたのは悪質で、人気に便乗しており狡猾（こうかつ）」と述べた。被告側は判決を不服として控訴する方針。

公判では、「鬼滅の刃」に登場する主人公の竈門炭治郎（かまどたんじろう）の「緑と黒の市松模様」、妹の禰豆子（ねずこ）の「ピンク色の麻の葉模様」など、主要キャラクター6人が着ている服の模様をあしらった商品が、作品の模倣品と呼べるのかが争点だった。

検察側は、被告が商品に「鬼退治」と名付けていたことから「混同させようという不正な目的は明らか」と主張。弁護側は「模様は一般的な模様で作品とは関係なく、税関の許可も得て輸入した」と無罪を訴えていた。

宮本裁判長はまず、六つの模様に特別顕著性（独特の特徴）があるのかを慎重に検討。伝統的な和柄も含まれており、うち三つは単体では作品に結びつけられないとした上で、「4種類の模様を組み合わせれば、特別顕著性があると認められる」と判断。

被告は模様の入ったタオル、パーカなどの商品を4種類以上のセットで販売しており、「作品を連想させ、公式グッズとの認識を抱く」と認定し、不正な目的があったと結論付けた。

税関の許可を得ていたとする弁護側の主張に対しては、「税関が事前に法的に問題がないと回答することはない」と退けた。

判決によると、被告は2020年4月～21年1月、集英社などが販売する「鬼滅の刃」関連グッズと似た模様のバスタオルなど244点を、愛知県内のゲームセンターに約12万円で販売するなどした。【藤顕一郎】

https://mainichi.jp/articles/20221216/k00/00m/040/272000c

「鬼滅の刃」連想させる品販売した疑い　会社社長ら逮捕
2021年7月28日 10時41分

人気アニメ「鬼滅の刃」を連想させるデザインの商品を販売したとして、愛知県警は28日、商品卸売会社「レッドスパイス」（横浜市中区）社長（52）ら男女4人を不正競争防止法違反（混同惹起（じゃっき）行為）の疑いで逮捕した。
関係者によると、社長らは、鬼滅の刃に登場するキャラクターの衣装の柄に似せた商品を輸入し、各地のゲームセンターに景品を卸す業者に販売した疑いがもたれている。

鬼滅の刃のコピー品をめぐっては、著作権法違反での立件が相次いでいるが、不正競争防止法の適用は全国で初めてとみられる。「鬼滅の刃」の文字は商標登録されているが、レッド社の類似品は、商標登録されていないキャラクターの羽織の柄や文字を組み合わせることで混同させるため、同法を適用した。
同社の商品は羽織やバスタオル、リュックサックなど。アニメの主人公の竈門（かまど）炭治郎の市松模様など登場人物の羽織の柄や、「鬼退治」「滅」の文字をあしらっている。クレーンゲームの景品のほか、ネット販売もしていた。
同社に対しては消費者庁が3月、首にかける携帯型商品について根拠なく「身につけるだけでウイルスが除去できる」とうたったとして、景品表示法違反（優良誤認）で再発防止を求める措置命令を出している。
鬼滅の刃は「週刊少年ジャンプ」（集英社）で連載された漫画が原作。単行本の累計発行部数（デジタルを含める）は1億5千万部超。2019年にアニメが放映され、昨年公開された映画は国内での興行収入歴代1位となっている。（高絢実）

「鬼退治」「滅」などと書かれたマスクや市松模様の雑貨=7月17日、名古屋市内、読者提供

本物の「鬼滅の刃」商品に交じって、「鬼退治」などと書かれたコピー商品とみられるグッズが入るクレーンゲーム=2021年7月、愛知県内、山崎輝史撮

「鬼滅の刃」のデザインに類似したレッドスパイス社の商品

レッドスパイス社のホームページ。「鬼退治」「滅」などとうたって、類似品を掲載していた=2021年2月22日

https://www.asahi.com/articles/ASP7X3GLYP7WOIPE01K.html

「鬼滅の刃」模倣か、ありふれた模様か…緑と黒の市松模様グッズ巡りあす司法判断
2022/12/15 00:13

緑と黒の市松模様をあしらったグッズは、人気漫画「鬼滅の刃」の模倣品にあたるかどうか――。
その線引きを争点とした刑事裁判が、名古屋地裁で行われている。グッズを輸入・販売し、不正競争防止法違反に問われた会社側は「ありふれた模様だ」などと無罪を主張し、検察側と真っ向から対立している。判決は１６日に言い渡される。

「鬼滅の刃」は、大正時代を舞台に、主人公の少年・ 竈門炭治郎 が仲間たちと共に鬼と戦う物語だ。コミックス全２３巻の累計発行部数（デジタル版含む）は１億５０００万部を超え、アニメや映画も国民的な大ヒットとなった。

その“パクリ”だと問題視されたのは、雑貨輸入販売会社「レッドスパイス」（横浜市）が２０２０年４月～２１年１月に輸入、販売したバスタオルやパーカなど計８００点。
炭治郎が着る緑と黒の市松模様の羽織など、キャラクターの衣装に似た柄が使われているとして、中国籍の社長（５７）と同社が不正競争防止法違反で起訴された。検察側は社長に懲役２年、罰金３００万円、会社に罰金５００万円をそれぞれ求刑している。

不正競争防止法は、他者の商品と特徴を似せた物を販売するなどし、消費者に混同させる行為を禁じている。

〈１〉元となった商品の特徴が独特
〈２〉元となった商品が消費者に広く知られている
〈３〉似せた側に不正の目的があった

――などが犯罪成立の原則的な要件だ。

検察側は、漫画やアニメの大ヒットで、模様を見ただけで一定数の消費者が「鬼滅」を連想する状況だったと主張。弁護側は「模様だけで『鬼滅』と認識するのは困難だ」などと反論している。

知的財産権に詳しい弁理士の井澤幹さんは「社会への模様の浸透度合いなどが判断のポイントになるだろう」としている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20221214-OYT1T50300/

ってことになりました。